世の中には明らかに社会に出てやっていくのに向いていない人が大勢いると思います。
人とコミュニケーションをとるのが苦手な人であっても、それが得意な人達と同じ空間に放り込まれて仕事をすることを余儀なくされます。
世の中っていうのは、人が働くことを前提として成り立っているので、その人がどんな能力を有しているかを考慮されず、人ならば最低限これくらいの能力は有しているだろうという想定で社会に組み込まれていきます。
なので、自分が実際に有している能力と、社会で要求される能力との間のギャップに苦しめられることは多くあると思います。
そして一番残念なのが、自分ではそれをどうすることもできないということです。
世の中のあらゆること、人生のあらゆることが自分の意志や選択によって決められないという悲しい事実があります。
もちろん、youtuberになって好きなことをやって生きていくとか、政治家になって世の中を変えていくとかいったことを実践できている人はいますが、そういうのも全部そういった能力や人格を有していることが前提となっています。
人っていうのはどう頑張っても抗いようのない縛りの中で生きていくほかありません。
本当に嫌だなあって思います。
人生という抗いようのない縛り
人はどの時代に生まれるか、どの地域に生まれるか、誰のもとに生まれるか、性別、見た目、能力といったあらゆることを選ぶことができません。
生まれることに関して何一つとして自由はありません。
生まれるかどうかすら選ぶことができません
与えられたもの、もっと言うなら押し付けられたものの中でなんとかやっていく以外にありません。
人格というのは、遺伝子や育った環境によって決まります。
男か女か、背が高いか低いか、運動神経があるかないか、頭がいいか悪いか、容姿が整っているかどうか、親がどんな人間であるか、兄弟が何人いるか、どんな学校に通うか、裕福かそうでないか…。
そういった、自分の意志ではどうすることもできない要素の足し合わせで自分がどういった人間になるかということが決められます。
もちろん、自分の駄目な部分や悪い環境は努力によって改善することができるとおっしゃる人はいるでしょう。
しかし、努力をするかどうか、努力することができるかどうかというところが既に自分の人間性に依存しています。
その「人間性」の部分が自分ではどうすることもできない要素によって決まってしまうので、やはりどうしようもないというのが事実でしょう。
生まれるかどうかも選べなければ、自分がどんな人間になるかも選ぶことができないという、どんなに頑張っても抗いようのない縛りの中に我々はいます。
そう考えると、この世に生まれるというのはすなわち罠にかかるようなものです。
罠を回避することはできないし、自分を罠にかけた相手によって人生の全てが決まってしまうということになります。
そして一度罠にかかってしまったら、その後起こるであろう、あらゆる出来事に対して選択の余地はありません。
仮に不幸になったとしても、それを避けることは不可能です。
繰り返し言いますが、人生というのは抗いようのない「縛り」です
どうすることもできない。
本当にどうすることもできないんですよ、こればっかりは。
もちろん、罠にかける側の人間は自分がいい思いをすることだけに興味があり、こんなことは気にもとめていないでしょうが。
反出生主義がもっと世の中に浸透すればいいのにと思う理由
極端な話、私はこの先全人類が永遠に子供を生むことなく滅びてしまうのが最善だと思ってます。
人がただ子供が欲しいとか、充実した人生を送りたいとかいう理由で子供を生んでいるだけで、別に人類がこの先存続しなければならない理由なんてものはないと思います。
別に滅びたとして、それが何か問題であるとは思えないです。
子孫を残すのは生物としての本能だみたいな話もありますが、本能的にやるにしてはあまりにも生きていく上での前提条件が多すぎます。
ましてや人には理性というものがあって、それにただ生きているだけの状態は不幸であるという前提もあって、出生を本能の一言で片づけるのはもはや不可能です。
これだけ人類が発展した現代において、本能で子供を作るなんていうのはもうやめたほうがいいです。
生きるだけのことにこれだけの苦しみがあるなら、本能とか性欲とかではなく、理性で判断していかなければならないと感じます。
そもそも親の性欲の結果生まれてくるとか、そんなんあまりにも理不尽すぎないか?
そんなことで生まれてこさせられるとか、正気の沙汰とは思えないです。
絶対にやめていただきたい。
子供を生むことが当たり前で素晴らしいと思っている人たちへ
子供を生むことが当たり前で素晴らしいと思っている人たちに是非知っていただきたいです。
子供を生むことが一体どんなことを意味するのかということを。
自分たちがいかに理不尽な要求を相手に押し付けようとしているかということを。
結局、気づかなければ、知らなければ、考えなければ同じことをただ繰り返すだけで、必要のない苦痛を生み出していくことになります。
中には、自分の子供の人生はきっとうまくいくはずだと主張する人もいるでしょう。
しかし問題は上手くいくかということではありません。
上手くいくかということではなく、それを強要しているのが問題なので。
仮に子供の人生がうまくいって幸福になったとしても、それを理不尽に強要したという事実には変わりありません。
子供がリスクを負って、頑張って努力しないと幸福になれないという状況を無理やり押し付けたことが問題だと言っているのです。
子供を生もうとする人間が、子供を生むというのがどういうことを意味するのかを真剣に考えていただくことが私の心からの願いです。
そして、そうならないことが全く本当に残念です…。
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